さあ、今回はイケてる読者諸君に贈る、女の子の大好きな水路の紹介だ。モヤモヤする下半身を押さえて耳の穴をよく掃除して読んで欲しい。
まずは京王線北野駅で女の子と待ち合わせだ。10年前は20分ごとにしか速達列車がない駅だったけど、今は準特急があるから10分間隔で乗車チャンスあり。待ち合わせにバッチリの条件だね。駅は最近改修されてショップも充実している。
駅を出たらロータリーのほうへ行かずに、湯殿川にかかる人道橋「前田橋」を渡ろう。そのすぐ近くにあるのが、今、女の子の間で静かなブームになっているという「打越川」だ。ただしこの名前は行政機関の中だけで使われているので、現地に行っても河川名は特定できない。謎めいた水路なのだ。

まずは唯一の名称つきの橋「北大畑橋」を渡ってみよう。見ての通り、本当は橋にする必要なんてまったくない造りだ。だけどあえて橋として存続させてしまう粋な計らい、ここをしっかり感じ取ること。彼女もキミのそういう繊細なところを見ているに違いない。

水路はジョリーパスタとローソンの間を流れていく。ここから先の道のりを考えて、彼女のためにローソンで飲み物を買うのも良し、ジョリーパスタで本格イタリアンを楽しむのも良し。ちなみに一時期はジョリーピアットという店になっていたが今は戻っているので注意。

ジョリーパスタまたはローソン脇の路地を入る(どちらもすぐ裏で交差する)。ここで中谷戸の流れと合流するが、もちろんキミたちは本流のほうへ進む。その際は「こっちが僕らの愛の本流」とか言っておくとマル。まだ恥ずかしい場合は素直に「こっちがスイロットアンキョ誌のオススメだから」と言おう。
※中谷戸の記事は http://suiro.seesaa.net/article/163809955.html

マンション建設のためなのか、水路上に仮設歩道が整備されつつあるようだ。ここは(もし一般に使えるようになったら)彼女と吊り橋気分でキャーキャー楽めること請け合い。今は無難にマンション購入の話などしておくと良し。

この出たら落っこちるガレージは数少ない笑いどころだから見逃すなよ!


ここで水路は道路を横切っていく。名前もない小さな橋の上に立ち、肩を寄せてせせらぎをしばし見つめていこう。この先しばらくは水路は見えない。実は見えないところで分岐しているが、まずは短い支流(大畑支流・仮称)のほうを見ていこう。そうしたほうが長い時間彼女と過ごせるから・・・。



支流を追うために右手脇道に入る。「ちょっと寄って行こうか」と男らしくも自然に誘おう。そこからの風景はこんな感じ。けっこうな急流あり、狭い水路の生活の匂いあり、そして何と言ってもタニゾコ感が二人を楽しませることだろう。

野猿街道の上からは谷全体を見渡せるスポットがあるので要チェックだ。このあたり一帯を「大畑(おおばたけ)」と呼ぶ。



多摩丘陵バス停の下で絹ヶ丘の新興住宅地に潜り、支流は姿を消す。まだ谷の地形そのものは続くが、深追いしても何も無い。写真の左のほうに続きの雨水管がありそうだ。
もしここまでで彼女の反応がよくなかったら迷わずバスで八王子へ繰り出そう。まだちょっと水路デートには早かったということだ。しかしちょっとでも良い雰囲気なら、「もっと感じの良い流れがあるんだ」と言って野猿街道を少し下ろう。狭いので車に注意だ。


野猿街道側から、先程の支流との合流点が少し見える。ズドンと大砲のような雨水管(もちろんこれは本流ではなく、道路からのもの)が飛び出しているのが壮観。野猿街道を挟んで反対側に続きがある。

極秘資料では、ここはやや改修されていて、野猿街道旧道が作られる前(いま旧道と呼んでいる道も実は新道なのだ)は、横に入る道に沿った流れになっていたはず。しかしそんな知識はデート中あまり口に出してはいけないし、公図でも見なければ根拠も示せない。今は野猿街道とその横の駐車場下を潜っている。それを出ると野性的な流れになる。僕らも野性を忘れないようにしたい。

本流は住宅と山の間になり、よく見えない。しかも見えないところでまた合流点がある。道路側も山の端で、狭い谷だ。ここは地下壕のようなものがあるが夏草で見えない。夏草で覆われた狭い谷には穴があるのだ。真理である。(写真は2005年の草の少ない時期のもの)


「大畑ちびっこ公園」で流れがやっと姿を見せる。人家があるのに水路上もすごい草だ。ちなみにこの公園でちびっ子が遊んでいるのを筆者は見たことがない。ゴルフクラブが置いてあるがゴミなのか遊具なのか武器なのか不明だ。ゴルフに自信があるならちょっとスイングしてみるのもいいかもしれないね。


公園の先は金網つきの深い水路になる。このあたりを柳入と言う。山から水が出ているのも見ることができる。

左手に橋のあるあたりでは底面がのっぺりとした水路の細かなうねりを楽しめる。ただし橋を渡らないほうは行き止まりで、谷の斜面にある日興団地という小住宅があるだけだ。間違って奥へ行くとカッコ悪いぞ。それと、この駐車場の土は崩れかかっているので調子に乗ってて上へ登らないように。

先に支流(仮称:柳入公園支流)を見る。橋を渡ったら左へ進む。しばらく行くと細い流れがあるはずだ。下流は草だらけだが、上流では八王子によくある水路の様相となる。ただしここも金網つきだ。


そして柳入公園。草だらけで遊具もないが、ゴリラとバナナがあるシュールな公園だ。彼女との楽しい記念写真スポットであることは言うまでもない。

ここでバリ3の水路(女子の間ではコンクリート三面張り水路をバリ3と呼ぶ)は北野台の下に隠れてしまうが、先に少しの歩行者通路・階段があり、その下を通っているのかもしれない。ここは一旦上に昇ってしまい、上から谷戸を眺めるのが良い。絶景スポットというやつだ。ただしそういうのがあるのは彼女には伏せておこう。
住宅のある広い道路を西へ歩いていこう。すると、レンタルビデオ兼書店がある。その駐車場奥に、なんと手付かずの谷戸を二人で眺められる場所がある。

人工物がまったく見えない、しかし確実に谷戸としての平地がある、完全な自然の谷戸である。おそらく昔は谷戸田が拓かれていたのだろう。水路は左側の山の端を流れているがまったく見えない。地図によっては小さな建築物が谷の先に描かれているがそれも不明なくらいだ。これが人気スポットになるのも頷けるというもの(ちゃんとお店も使おう)。ここならどんな告白もロマンチックに演出されるに違いない。紅葉の時期などもたまらないだろう。
なお、背後には遊水池(牛谷戸公園)があり、そこからの水が流れているのではないかというのが本誌の予測である。この谷戸のあたり(か、もう少し下流)をおそらく「牛谷戸」と呼ぶ。



本流のほうは、わかば公園下にある池に源を見出すことができる。大きな遊水池である。池には二箇所からの流入が確認でき、大きいものは横の路地下から、もうひとつは「北野台ながれの公園」から続く緑道下からのものと思われる。住宅地のやや下流で先程の谷戸と合流し、柳入へと流れている。この牛谷戸の南の谷の端を「岡谷」と言うそうだが、今となっては地点を見いだせない。公園の名前になってはいるが、場所は若干ズレているようだ。流れそのものは日興団地のあたりまで見ることはできない。帰り道にチラッと見るくらいにしておこう。

さあ、これで彼女も大満足。安心して八王子なり新宿なりへ繰りだそう。読者諸君が、さらなる谷へと歩を進めることができるよう、これからもスイロットアンキョ誌が全面バックアップするぞ!!
●地図はこちらのリンクから。
<その他スポット>
北野台ながれの公園と緑道



大きいほうの池の後ろに緑道が続く。やや上り坂で、途中に流れのある公園がある。公園から先にも緑道は続くが、ほぼ尾根道になるので、雨水管があったとしても公園までか。「漏水のため枯れ山水」という文句が笑いどころ。
碁石坂公園、牛谷戸公園



碁石坂公園は周囲とかなり高低差があり、ある程度雨水などを集める役割を持っていそう。そこから歩行者通路でつながった牛谷戸公園は小さな遊水池で、飛び込んだボールが多数浮かんでいる不思議な空間だ。
※実際に女の子の間で水路や谷戸や打越川が人気かどうかは不明です。
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