2015年06月29日

0610 戸越銀座の暗渠・川跡(後編)

※これは戸越銀座駅付近から北に伸びる水路跡の記事の続きです。
 前回まではこちら→ 前編 中編


今回の地図はこちら(前回と同じ)。


コンクリ部分が終わり、中原街道に出る手前はこのようなカーブになっている。ここは二択を迫られる。道の下か、筆界かである。私は筆界、つまり道ではない、建物の左側が川跡だろうと思う。

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よく地図を見て欲しい。まず、中原街道は新しい道だから、その両側の街路はもともとつながっていた可能性が高い。たとえば暗渠の1本南西側の道がそうだ。

一方、中原街道に南東側からつながる街路を見てみると、中原街道の20−25メートルほど手前で角度修正して、直角に近い角度でぶつかってはいないか。これは大通り沿いを不整形地にしないための措置だ。この暗渠路地もその例に漏れず、ほぼ直角に中原街道に向かう。元の川がそうであったかといえば、たまたまそのように流れていない限りおそらく違うだろう。

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中原街道側から覗いてみると、あれ、なんかこう、溝があったような変な亀裂があるじゃないですか。これはかなりあやしい。で、この次の区間が今回本当に見たかったところ。中原街道を渡ってなお、この続きがある。はず。ストリートビューではいまいちよく見えないが、地図ではやっぱり家と家の境が、ちょっと湾曲している。そう、筆界は裏切らない。

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で、反対側の歩道にはこんなものがあり、じゃあっつって左手を覗いてみたらよ。

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あこりゃ期待にたがわぬ蓋暗渠ですわ。なぜだかスクールゾーンの柵で遮っているけど、立派な暗渠だ。これが見たかったんだよ。これが。これ見れただけで今日は80%満足。

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奥をズーム。ちゃんと続いている。右側にやや壊れかかった低い擁壁もあるようだ。カーブしているので見渡せない。反対側へ回ってみる。

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まったくきれいに蓋暗渠が続いている(写真上、下流向き)。いやー素晴らしい。こっちもなぜかスクールゾーンだけど。普通のトラ柵はなかったのか、品川区。隣のマンションのコインランドリーの案内矢印が暗渠を指しているように見えてしかたがないのは自分だけか・・・(写真下)。

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さて、この流れは地図でもわかるとおり、品川用水から出て星薬科大学の横を流れてくるもの。ここはlotus62さん(高山さん)が以前に少し書かれている。『暗渠マニアック!』発売おめでとうございます(この日に書店で買いました)。本田さんの記事と高山さんの記事、つながってたんですね。

ということで上流へと進む。蓋暗渠から身を翻すとこんな街路で、一見川跡っぽくない。

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ただし左側に隠しアイテム、銀座三越提供(?)の町名案内板あり。

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進んでいくとまもなく星薬科大学が左手に見える。右側は荏原第一中学校。下の写真のあたりでわかりやすく暗渠になる。歩道が始まるからだが、右側の道幅が変わっているのにも注目。ここは水路のほうがカクンとなっていたように見える。クランクは水路がまっすぐな場合と道がまっすぐな場合の両方があり、また公図を扱う仕事の経験上、平行したままカクンとする場合も見たことがあるので早合点は禁物だが、歩道が水路敷ならまあ良しとしよう。

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写真上の道幅の変化。これは地図で解決、手前から右への道が先にあり、向こうからの道があとでできたようだ。歩道暗渠は続いているのでどうでもいいか。

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この歩道暗渠、なぜか一度車道と離れて登る(写真上)。そしてそこだけ蓋暗渠になる(写真下)。

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なぜ登ったのか。しまいには、またすぐ降るのである(写真下)。用水だから高いところから分水していく必要はあるだろうが、この部分に何かあったのか、元々の土地の高さなのか。ここだけ蓋暗渠ということは、何らかのメンテナンスができるようにという措置なのは間違いないと思うが。水車とか埋まってたら面白い。

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降ったあと、まもなく品川用水に出くわして上流端となる。このスクールゾーンは本物である。スクールゾーン暗渠と言ってもいい(よくない)。

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ということで、戸越銀座の暗渠・川跡シリーズ三部作は(単に写真が多いから分けただけだが)これでおしまい。間違っている推測もいくつかあろうとは思うが(正解は法務局に公図でも取りに行かないとわからない)、散策家としてはおもしろく歩くことができたし、地図・写真からの情報と現地での状況を結びつけて妥当な流路を見つけていくという推理もやはり楽しいものだと再認識できた。これだから川跡調べは素晴らしい。

今回大いに参考にさせていただいたお二人の著書、本田創さん『地形を楽しむ東京「暗渠」散歩』/吉村生さん・高山英男さん『暗渠マニアック!』皆さんもぜひどうぞ。
※リンク先はAmazonです。

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告知はしかすけメインサイトや下記イベントページで行います(夏場は少なくなりますが)。
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タグ:品川区
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